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2010.12.30 Thursday

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第1回 MAYBESTRIKE
2007.10.24 Wednesday 00:54
もう7月も半ばになるというのに、まだ梅雨は開けていない。こんなじめじめした部屋からでも出る気になれない。テレビでは高校野球の地方予選がやっている。ピザの宅配のバイトにそろそろ出なければいけないのだが、体が動いてくれない。
高校を卒業してもう1年と3ヶ月がたった。

高校時代は特に思い出がない。文化祭、体育祭もすべてサボった。当然、高校では浮いた存在で友人はほとんどできなかった。そんな自分ではあるが、中学時代は学年で5本のに数えられるほど成績も良かったし、野球部ではいちおう投手をしていた。
そんな自分が進学校の高校に入って画一的に行動する人たちを見てなにかが違うと思った。やりたいことはあった。けれど、それは学校でできることじゃないことばかりだった。毎日生きてる感じがしない。でもどうやらおかしいのは僕の方であって、まわりはそれを受け入れているし、こなしている。ずっと成績は下がり続け遂に最下位近辺、学校もサボりすぎて出席日数があやうくなりかろうじて卒業した。そしてぼーっとしていたら高校生活3年間が過ぎていた感じ。辞める勇気もなく、だらだらと。

だんだん周りが進学やらなんやらで騒がしくなっていわゆる自分の道みたいのを決めていくのだが、それを周りで見て馬鹿にしていた。僕はなにもせず、時間が流れていくなかでとりあえずみんなと同じ流れで何かを決めてゆくのが行くのが嫌だった。

そして今僕は19歳になった。はっきりいって終わっている。19歳の夏に僕はピザの宅配のバイトと家を往復している。もう1年近くこうしているのだ。

そうした日常から脱却したい意思が僕の中に芽生えてきたので、僕は旅行の計画を思いついた。
それで明日から中学時代の友人と一緒に沖縄県の西表島に行く。高校時代は友達ができなかったが、中学時代からのいわゆる馬鹿ができる友人はいる。この友人たちだけはほんとの友達といえる。
こんな思いつきでいった旅行にもついてきてくれる昔からの付き合いのやつらばかりだ。たぶんこいつらがいなかったら、僕の人生はもっとつまらないものであっただろう。
昔見た映画の中に西表島が出てきてずっと行きたかった。それと今の自分が変わるきっかけが欲しかった。明日の準備をしながら、物思いにふけっていた。


次の日いつものメンバーで集まった。
大熊、小野田、殿下、アニ、由里子、ヒロシが集まった。残念ながらいつものメンバーの隆次はこれない。

集まって最初に殿下が

「みんな寝坊しなかったね。俺は昨日ねとげーが長引いちゃってさ。寝不足寝不足。」



すかさずヒロシが

「旅行に行く前までねとげーですかぃ。」

と突っ込みを入れる。

由里子は

「どっかみんなで行くって久しぶりだね。楽しみ。」

とはしゃぐ。


ぎゃあぎゃあ騒いでいるとさあいくぞとリーダー的な大熊が行った。羽田ヘ向かうため、駅に向かった。僕は電車に乗るのは久しぶりだった。そのことをヒロシに言ったが、ヒロシもお前もかといって、普通な顔をしていた。普通そこはつっこまれるかと思った。いや
、突っ込んで欲しかった。かまって欲しかった。
僕はさびしがりやでかまってちゃんだから、最低だ。また思った。

電車で40分くらいのって、羽田に着いた。海の日から続く3連休の初日なので空港は旅行客でいっぱいだった。初めて飛行機にものるし、遠出である。少しわくわくしてきた。


羽田から石垣島へ向かい、その後は船で西表島へ行く。5時間近い長旅である。自分の席は隣が由里子だ。由里子は中学校から一緒で中学のときは野球部のマネージャーだった。
俺らがどっか行こうとすると必ずついてこようとする。自分には女友達というのはコイツしかいない。というか由里子以外ここ最近では女の子と話をしていない。

内心かわいいとは思うのだが、それを絶対誰も言わないし、誰も付き合おうとはしない。それは多分みんなの由里子なのであって、手を出しちゃいけないというのがみんなの中であるからだと自分は解釈している。

4時間ぐらいたった。由里子が突然、

「わあすごい。海の色がバスクリンの色してるよ。」

その声でみんなで窓を覗き込むとエメラルドグリーンの海が広がっていた。
初めてみた色の海。江ノ島なんかとは違う別世界の海がそこには広がっていた。
由里子が後ろの席のアニたちを覗き込む。


「ふーん。」

殿下だけは見ようともせずDSのゼルダを続けている。


由里子が

「あんたねぇ。DS取り上げるよ!」

ここまできてゲームかよ。でもそれが殿下らしさってもんだ。と思いながら飛行機のアナウンスが流れる。

「まもなく着陸致します。急降下いたしますので、ベルトをしっかりお締めください。」

エメラルドグリーンの海を横切りながら、飛行機は着陸態勢に入った。本当に急降下しながら、飛行機は逆噴射を利用して着陸した。飛行機の窓から、日差しが強いことは確認できた。


飛行機から出て、歩いて空港に向かった。空が青く、そして高い気がした。かわるはずなんてないはずなのに。日差しは強いが東京のコンクリートジャングルの暑さよりはぜんぜんいいと思った。

僕たちはさらに石垣島から西表島に行かなければならない。なので、離島行きの桟橋へ向かい、そこから西表島行きの船にのる。桟橋につくとみんな海の綺麗さに関心している。

大熊は

「次の曲はオーシャンパシフィックにしよう。」

と言っている。大熊は趣味でバンドを結成していて、作詞や作曲をする。

すかさずアニが

「ここ東シナ海だよ。オーシャンパシフィックって太平洋だし。」

突っ込みを入れる。関係なく由里子はきゃあきゃあ言っている。ここから西表島まではさらに船で40分かかる。みんな船に乗り込んだ。日本の南の島にたくさん観光客がきていることも少し驚きだった。バスクリンの色をした海へ船が出発した。遠くに大きな山のある島が見える。大小の小さな島も見える。

西表島につくと、鳴海様ご一行と書かれた看板を持った女の子がいた。

「いらっしゃいませ。今日からご宿泊になる鳴海さんですね。」

女の子は今日から泊まる吉浜荘の娘だった。千春ちゃんというらしい。

千春ちゃんに連れられて車に乗り込み吉浜荘に向かう。千春ちゃんに話しかける男どもを見て、由里子はご機嫌があまりよくない。千春ちゃんが車をとばす。道は、海岸線沿いをずっと行くようだ。島の内部は平坦ではなく山になっており、海側は珊瑚礁が見える。外の風景は山側は森というかジャングルが広がっており、海側はエメラルドグリーンの海が広がっている。

小野田が千春ちゃんに

「女の子なのに運転上手だねぇ。すごいよ。由里子なんて免許もってないし、運転できたてとしても怖くてのれないな。ヒステリックだから。」


「ここでは車運転できないと移動厳しいからねぇ。運転なんて慣れれば誰でもできるもんだよ。」

千春ちゃんは苦笑いしている。それを横目に由里子の顔はますます曇っている。

ずっと黙って外の風景を見ていたヒロシが

「あれ島が見える。なんか馬?いや動物が渡っているみたいだけど・・。」

千春ちゃんは

「あれは由布島よ。水牛にのって渡るの。何日か後に水牛にのっていくからね。」

と教えてくれた。みんながすごいと言って関心していた。

「有名だよ。私知ってるし。」

由里子はそっけない返事をした。こういう態度がかわいいのに難点だ。千春ちゃんは由里子とタイプの違う美形だ。美形同士って反発するのかな・・。

更に車は島の周りを進む。島の北側に来た時にまた島が見えた。

「今度の島はなんていうの。」

ヒロシは外を眺めながら言った。

「あれは鳩間島よ。私は中学生はあの島で暮らしていたの。」

千春ちゃんが説明してくれた。一瞬悲しい顔をしたような気がした。

「そう言えばあんまり千春ちゃん訛っていないよね。」

大熊が質問した。そういえばそうだなと思った。

「私は横浜生まれなんだ。中学校のときに鳩間島の親戚の家に来てそれ以来ずっとこっち。」


「え!なんでぇ。お父さんとかお母さんは?それに高校とか西表にはあるの?」

由里子が聞いた。

「父も母も横浜にいるよ。高校には行ってない。中学出てから鳩間から西表に来て吉浜荘で働いているの。」

父子家庭の自分にはなにかがあってこの島に来たんだということが理解できたが、由里子は理解できてないようだった。話をしている千春ちゃんが遠い目をしていることからたぶんそうだろうと思った。自分も気まずいことを聞かれると遠い目をしてしまうので、自分に似ていると思った。

「でも、お父さんもお母さんも1人でこっちいたら心配するんじゃないの・・・。」
由里子が続ける。

「まあ、いろいろあるんですよ。でも私この島いるとほっとするの。さあ次に見えるのは日本最南端の温泉です。」

千春ちゃんが話を変える。それを察知した自分も温泉の話題に乗っかった。

「温泉は混浴?」

焦って変なことを聞いた。全員に馬鹿だのエロいだのと突っ込まれたけど。

車に40分ぐらい乗った後吉浜荘についた。宿につくと千春ちゃんが宿の主人である大浜さんを呼んだ。大浜さんが挨拶をした。

「皆さん。ようこそ吉浜荘へ。古い宿ですが、料理ともてなしではホテルにも負けないのでどうぞ宜しく。」

みんなも大浜さんに挨拶をして部屋に入った。
部屋は以外と綺麗だった。男は全員同じ部屋だ。由里子は女なので別の部屋。
吉浜荘は海に近かった。部屋から窓を開けると海が見える。時計を見ると15時を回っていた。今日はどっか行く予定でもないので浜の方へ向かった。

浜を見る。浜辺にいるのに磯の臭いがしない。癒される。ここにいると今後どうしようか悩んでいる自分がちっぽけな存在に思えた。それと同時にこのたびから帰ってからの現実とのギャップに戸惑うことはないだろうかなどど考えてしまう自分もいる。

「鳴海君!!」

千春ちゃんがこっちに向かってきている。青い空の下浜を走る千春ちゃんの姿に少し見とれてしまった。

「ここいい所でしょ。私もさびしくなったりするとこの浜に来るんだ。月が浜っていって海がめの産卵の場所でもあるんだよ。」

「そうなんだ。そういえばさっきさ・・・。」

といいかけた所で千春ちゃん言った。

「さっきはありがとうね。」

「なにが?」

自分が聞くと

「私が車の中で話題変えたとき、わかってのってくれたんだよね。」

千春ちゃんが海を見ながら言った。

「そんなんじゃないよ。なんのこと?」

人はわからないふりをするのが、一番やさしいと昔おじいに聞いたことがあるのでとぼけた。少し笑って千春ちゃんが語りだした。

「私横浜にいたとき家庭や学校のことでいろいろあって。それで不登校になって親戚のいる鳩間にいったの。こっちへ来たらねいろんな意味で楽になった。自分と向き合えるというか自分が生きてるって感じがするようになったんだ。」

なんで自分にこんなことを言うのだろうと思った。

「少しなんでこっちに来たのかって聞かれて困ってたから、それで話題変えてくれてありがとうって。鳴海君の目見てたら少し悲しい目してるから昔の自分見てるみたいだったからさ。」


「本当にそんなこと考えてもいなかったよ。自分自身傷つきやすいけど、人の痛みには鈍感な方だし、今も傷つくことが嫌で、逃げてるっていうような感じだしさ。」
と僕は海を見ながら言った。

「人と話すとき目を合わせないよね。」

また千春ちゃんが笑って話し出した。

「吉浜荘に泊まるお客さんで同い年の人がくるのってあんまり来ないんだよね。まあ4日間よろしくお願いします。」

千春ちゃんに手を出されたので僕は汗ばんだ手をぬぐった。その手はマニキュアなどぬっていない手だった。千春ちゃんと握手しているところで

「お〜いなにやってんだ〜。散歩いくぞ〜。」

大熊の声がした。 僕はなぜか恥ずかしい気持ちになり咄嗟に手を離した。また千春ちゃんが笑って大坪に手をふった。


みんなで集まって散歩に出かけた。小野田は先頭を歩くのが好きらしく歩くのがはやい。そして好奇心が強い。大浜荘がある集落を抜けて国道のある道に出た。島の中央は山になっていてジャングルになっている。日本の見慣れた森とは違い、シダ系の植物が多い。

「こっちに散策路があるぞ。」

小野田は言いながらジャングルに続く道へ入っていった。散策路を進むと、そこには川が流れていた。両脇はマングローブが覆い繁っている。日差しの強い西表島であるが、ジャングルの中に入ると意外と涼しい。川沿いの道を進んでいくと、滝壺に出た。滝壺にみんなで休憩していると奥の方から迷彩服を着た男たちが現れた。迷彩服の集団は数にして30人ぐらいだった。滝壺の周りで休んでいる自分たちの隣を無言で通りさる。


ヒロシが笑いながらいった。

「サバイバルゲームの集団なんじゃないの。」

殿下はすかさず、
「いやでも通りすぎる男たちが持っていた銃はジパング陸軍の標準装備だったよ。ジャングルで演習してたのかな。」

みんなそうなのかなと思った。確かに日本で広大なジャングルがあるのはここだけだし、島の面積も沖縄県では沖縄本島に次いで広い。急にジャングルから男たちが現れたので少し同様した。 僕たちは川遊びを辞め大浜荘に帰る事にした。

吉浜荘に戻った。さっきの出来事の動揺が隠せない。なんで軍隊がここに??あれはサバイバルゲームなんかじゃなかったと思う。ナゼ思うかって。だって奴らが持ってた銃が89式だったから。あれは確か標準装備だ。そうこうしているうちに日もすっかり落ちた。
大浜さんと千春ちゃんがバーベキューの海岸で準備をしてくれていた。
ヒロシはさっき起こったことなんかどうでもいいように

「くうだ〜。食べるだ〜。」

と奇声を上げている。


晩御飯が始まる。西表一日目の夜。月が浜の上には、満月が反射して浮かんでいる。
そんな中で晩飯だ。肉を焼く焼く焼く。

ヒロシは

「レアがうまいだぁ〜。」

由里子は

「あんたお腹壊すよ。」

バーべキューをしたのはいつ以来だろう。そういえば中学のときは部活の後とかにしたな。とりあえず、肉がうまいかどうかは別としてこういう場所でやるから美味しいんだと思った。昔映画で見てから西表島に期待していたものはこういうものだったのかと思った。来てよかったなとも。
東京に戻って日常とのギャップについていけるんだろうか。なんて考えたりもしている。ただ自分の中でなにかが変わってくれればいいそういう気持ちである。

こんなことをリゾート地にきてまで考えてしまう僕はやっぱりおかしいんだろうか。だって小野田やヒロシはさっきから肉を山のように食べている。そして海にダイブしている。

大浜さんがなにやら変わったしゃぶしゃぶ風の肉を持ってきてくれた。大浜さんはみんなの前にそれをおいた。

「小野田君食べてみなさい。」

小野田は肉を相当食べているがまだ食べるみたいだ。彼の胃袋は宇宙なのか・・。

「コリコリしていますね。何の肉なんですか?」

大浜さんは不敵な笑みを浮かべながら

「当ててごらん。」



小野田は


「海ガメですか。」

と答えた。大浜さんは

「違うね〜。これは山で取れたイノシシの肉なんだよ。ココの山ではけっこうな数でイノシシがいるんだよ。これをしゃぶしゃぶにしてゴマダレにつけて食べるとうまいんだ。」
みんなでそれを食べてみる。イノシシはうまかった。由里子は少し恐る恐る食べているが千春ちゃんは普通に食べている。ヒロシはすぐにたいらげていた。

夏の日の夜、西表島での食事。これを僕はいつか忘れてしまうのかな。

僕はこの夜のことを何十年後も覚えているのだろうか。みんなで遊んだりすることは多いがこうして旅行に来たのは初めてだ。月明かりの下バーベキューをして、食って飲んで。
海風に当たりながら感慨にふける。

「なにぼーっとしているのよ。」

由里子は飲み終わった缶を集めていた。気がつくとみんな後片付けをしていた。

明日はさらに西表島の奥地に行く。陸路ではいけない船だけでしかいけないところ船浮地区である。


朝になり、船浮へ向け出発。道は白浜地区までしかないのでそこからは船でしかいけない。西表島は海岸線に道があるのだが、一周ぐるっとつながっていない。天気は幸い、快晴である。海を見渡すと穏やかである。日射しは痛いぐらいであるが。 千春ちゃんがガイドとして同行してくれる。 大熊は昨日飲みすぎたせいかすこし酔拳の使い手になっている。殿下はしきりに虫除けスプレーをつけている。ヒロシと由里子は朝からハイテンションだ。小野田はトイレに行ったきり戻ってこない。

僕たちは船浮行きの船に乗り込んだ。この船は1日四便しかでていないようだ。由里子と小野田は船の甲板に出てタイタニックのマネをしている。殿下はずっとDSをしているし大熊はなにか口ずさんでいる。 水面は驚くほど透き通っており、そのしたを泳ぐ南海の赤や緑といった魚たちを見ることができた。ヒロシは昨日飲みすぎたせいか辛そうでそんな光景を見る余裕がなさそうだ。 アニは西表島中央をみて千春ちゃんになにか聞いている。


「あのプラネタリウムみたいな建物はなに?」

アニが聞くと千春ちゃんは

「あれはレーザ〜の発射台らしいの。私も詳しくは知らないんだけど西表島がちょうど東経なんとか度にあたるみたいでそれを示すために空に向かってレーザーを発信して位置を知らせているんだって。」

ふーんそうなのかと思った。そういえば昨日、太陽が落ちるのが遅い気がした。8時ぐらいまで明るかった気がする。無理もない。ここは東京から2500km、沖縄本島からも400km離れているのだから。


そうこうしているうちに湾が見えてきた。
千春ちゃんが船浮についたことを教えてくれた。 しかしなんて綺麗なところだろう。テレビで見た南の島の楽園がそこにはあった。現実にそれが広がっている。今日はここでキャンプをする。


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第2回 MAYBESTRIKE
2007.11.02 Friday 16:14
 船浮につくと集落があった。集落といっても10件あるかないかである。集落の港の岸壁から、海は透き通って見えており、鮮やかな色をした熱帯の魚が見える。小野田はそれを覗き込んでいる。千春ちゃんが案内をし、キャンプ道具を持ちながら集落を通過し浜の方へ向かう。遠くまで続く浜。遠浅で水面がきらきらしている。




「さあ。ついたよ。この辺は珊瑚礁があって遠浅だけど、外は海流に流されるから、沖の方には行かないでね。あと日差し強いから、日焼け止め塗りたい人は塗ってください。」





 千春ちゃんはそういいながら、パラソルを作っている。由里子は上だけ水着に着替えて、日焼けとめを殿下につけてくれといった。殿下は恥ずかしそうに日焼け止めを伸ばしている。このような光景は東京では見られない。笑い死にしそうである。海岸のすぐそばまで珊瑚がある。僕は海中メガネを取り出し、アニとヒロシと泳ごうといった。しかし、ヒロシは金槌だったため、あきらめてアニと泳いだ。海に入って水中眼鏡で見渡すと大型のシャコ貝や魚が確認できる。持っていた魚肉ソーセージをまくと一面に魚が寄ってきた。アニの周りには、黄色と青い魚がたくさん群がりまるでアニがオーラを放っているようだった。楽しいので、僕もやってみた。竜宮城みたいだ。あまりにも綺麗ですばらしい光景だ。珊瑚礁の中で大きい魚もよってきた。遠くで鮫のような巨大な魚も見えたので少し怖くなって浜にあがった。ずっと泳いでいたかったが、釣りもどうしてもやってみたかったのと、さっき見た大きな魚を釣りたくなったので今度は一回浜にあがって今度は釣竿を取り出した。釣りをしていると、小野田がやってきた。ちらっと浜の方を見ると、殿下はまだ日焼け止めクリームを塗っている・・・。

釣り糸を投げた水面がまぶしいくらいにキラキラしている。僕は釣りをしながら、小野田に質問した。


「変わっちゃった?」



「なにが??」

 小野田が聞き返す。




「いや、おれ今とくになにもしていないじゃん。高校卒業してからさ・・・。自分自身の中身というかなんというか。」





「変わったといえばかわったかな。別に昔は、たぶんそんなことを気にするなんてなかったでしょう?だってお前には野球しかなかったわけだし。俺は本当は違うんだという気ともうそんなのはどうでもよくてこれからのいわゆる普通といわれる未来を受け入れるか。なんかその間で、もがいてるような気がする。」




僕は小野田に言われたことが少し当たっていた気がしたので、聞くんじゃなかったと思った。そんなのは自分でもわかっていたから。
夢中になれるなにかがしたい。でも見つからないし、どうしていいかわからない。ただこんなのを考えなくていいものが自分には欲しいと思った。だから、この旅を企画したというのもあるのだが。



「目の前にさ大草原が広がっていて、俺はそこを歩いてなにをしてもいいんだけど、やりたいことってなにかわからなくて漠然と歩いているというか・・・。なにをいいたいかわかんなくなった今のは無し。」


「まあ・・・。なんにしろいいんじゃねえ今日は。こんなところまできて悩みこむのはやめろよ・・・。」


釣りをしている間、遠くで何度も跳ねる魚を見た。ふと遠くを見ると、小型の黒いボートが島に向かっている。何隻も。小野田にあれはなんだと思うと聞いてみた。



「まるでノルマンディー上陸作戦だな。ダイビングかなにかだろ。」



やっぱりダイビングのメッカだけあってすごい数の船が出ているもんだなと思った。

 千春ちゃんがおにぎりと串焼きにした焼き鳥を準備していたので、みんなで昼飯を食べることにした。 !殿下は未だパラソルの下、ジーパンでウチワをあおぎあぐらをかいている。日射しは強烈だが、爽やかな海風が吹いているので、そこまで暑くなかった。パラソルを立てた場所に行くと千春ちゃんの準備したおにぎりとバーベキューセットでやく用の肉、ウインナー、野菜類、クーラーボックスにキンキンに冷やしてあるビールがあった。そこにアニがタコを持ってきた。どうやらもぐってとってきたらしい。アニは胸にタコをひっつけてきたため、吸盤が肌にぴったりついていてなかなかとれなかった。タコに千春ちゃんが攻撃をくわえてやっととることができた。アニの胸はタコの吸盤の後が残り、さながら北斗神拳の使い手になっている。アニのとってきたタコを千春ちゃんは海水で洗ってから、包丁でさばき始めた。器用な手つきでタコを切り、それを串に通している。出来上がったのはタコの串焼きである。
 バーベキューセットに火をつけてからタコをやく。なんてこうばしい香りがするのだろう。みんなでビールをあけ昼食開始だ。

 千春ちゃんがみんなにビールを配っていると



「あれ?一本余ったよ?」


「ビール一本余ってるならもらうよ。」



 由里子がビールをとった。なぜ女のお前が一番先にビールをとるんだよと突っ込みたかった。千春ちゃんが頭をかしげて



「人数分しか持って来なかったんだけどなぁ・・・。あとは泡盛しかないよ。」



ヒロシが二本とった?奴ならあり得る。いや違う。ヒロシはとってない。そういえば、


「大熊がいない.!?」

小野田があたりをみわたしたが、大熊はいなかった。

「どこいったんだろう。」



 小野田がつぶやいた。たまに大熊はいなくなる癖がある。江ノ島に行ったとき、一人歩きながら詩を考えていて、そのままはぐれたり、中学の修学旅行のときも一人集合時間にかえらなかったことがある。
ちょうど僕らは半島のような形をしているところの西側にいたので、反対側の船浮集落側に行ったのだろうと思った。

 

ということで大熊を探すことになった。殿下はウチワをあおぎながら、ポテトチップスを食べているので荷物のある場所でお留守番である。

 大熊がいなくなった。僕たちは半島の裏側をまわりこんで探すことになった。ヒロシはどうせ用をたしているんだから、待っておけばいいと言った。僕と小野田も一緒のことを思った。ただ千春ちゃんが仕事として僕らを案内しているため、すごく心配しており探すことに。殿下は一人残すはずだったけど、飯を他の人の分も食べると心配なので由里子も残すことにした。

こうして僕らは大熊捜索を始めた。砂浜なので障害物がないぶん歩きやすいが、夏の直射日光を浴びるためスタミナの減りがある。 歩き続けて半島のちょうど間にさしかかったとき、大熊らしき人が見えた。ちょうど岩に座っている。千春ちゃんが大声で大熊の名前を呼ぶが反応がない。アニと小野田がダッシュでそこまで行った。





「死んでる・・・。」



嘘だと思った。大熊は胸を撃ち抜かれていて、眼鏡がその時の衝撃だろうか割れていた。
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第3回 MAYBESTRIKE
2007.11.12 Monday 19:13
JUGEMテーマ:小説/詩



「勝手に死んだことにするな。」


 屍だと思った大熊が声を出した。大熊は確かに撃たれていたが、血が吹き出ていたのは肩の部分であり、怪我がしていたが死んではいなかった。シャツの胸のあたりが血で真っ赤になっており、反応もないしてっきり死んだものと思った。




「ここで海のほうをずっと見ていたら、小型のボートがたくさん島の方にむかっていった。その1隻がこっちに向かってきて手を振っていたら突然発砲してきた。だからやばいと思って激痛がしたけど、逃げずに死んだフリしたんだよ。」

 ということはここらは危ないということ??




「どんなやつらだったの。」


小野田が問いかけると大熊は



「わからないんだ。船から撃ってきた後は、集落の方に向かっていった。」


 大熊の話によると船が向かったのは集落の方向らしい。船からはたくさんの乗組員が下りてきたらしい。



「とりあえず、ここは船がないと、石垣行きの船があるところにはいけないわ。」
 
千春ちゃんがいった。確かに陸路では船浮集落まではこれないため、僕たちが石垣島に帰るには、一旦西表島の港に行かなくてはならない。




「けど集落に行かないと船は出ていないよね。」



小野田がつぶやいた。


「ここから海を通る船に助けを呼ぶっていうのはどうだろ。」


提案してみる。


「ここさ珊瑚礁があって島に船が近づけないのよ。だからこの島にある港は全部珊瑚礁を削って作ってある。だから、船の謎の集団も集落方向に行かざるを得なかったと思う。」


千春ちゃんが言った。



「俺はどうなるんだ。イテて。だいたいお前が言いだしっぺのときは必ずハプニングが起きる。」


大熊は怒りながら言った。肩を撃ちぬかれており、明らかに危険な状態である。


「すまん・・・。とりあえず、大熊を殿下たちがいるところで休ませて、小野田と俺で集落の様子を見てくるよ。それで安全を確かめてから助けを呼ぶ。これでどうだろ。」


「危険だわ。だって大熊君は事実殺されかかっているのよ。」


千春ちゃんは危ないので自重しろといっている。小野田と大熊を抱えて、殿下がいる場所へとりあえず戻った。時刻は13時を回っていた。キャンプ用に食料を持ってきていたので、2日は持つだろう。殿下はポテトチップスをさすがに食べ終わっていて僕たちに言った。

「どうしてそんなに血が出てんの。こけたの?」


「いや撃たれたんだよ。」


「大変なことになったよな。で本当にお前ら船浮集落まで様子見に行くの?」



アニが平然と言った。



「行ってくるよ。この旅行計画したのは俺でもあるわけだし。後小野田は運がいいから、大丈夫な気がする。」


僕は申し訳ない気持ちとなぜだがわからないが高ぶる気持ちがあった。

こうして小野田と僕は集落に向かうことになった。みんなはここだと船の集団に見つかると危険なので、山のくぼみに移動することになった。
ここから集落には歩いて15分ぐらいで到着する。



「気をつけてね。絶対危ないと思ったらかえってくること。私ガイド役なんだから、責任感じちゃうわ。」


「達者でな。」


アニにそっけなく言われ、僕ら2人は集落に向かった。

小野田と僕は集落の方に向かった。砂浜を歩いたので、足が少しはまる。そして強烈な日差し。15分ぐらいで集落が見えてきた。


「ここからは少しゆっくり進もう。また撃たれるかもしれないしね。」
僕は危険なので様子を見ながら進むことを小野田に提案した。小野田もうなずいて茂みや岩に隠れながら集落の様子を確かめることにした。そして集落に少しずつ近づいていった。500mぐらい離れたところから、10分ぐらい様子をうかがったが、特に変化がない。ただ、そのまま海岸づたいに集落に近づくと危険なので、ジャングルのある山の方向に上ってから、近づくことにした。山をのぼることにしたのはいいのだが、日本の山と違って、ジャングルなので、見慣れないシダ植物が、覆い繁っている。そのせいで500mの距離を進むのに1時間かかった。山に上がり集落を確認して少しずつおりていく。小野田はたまたまズボンが迷彩柄であり、ほんとにカモフラージュになっていた。僕は、ピンク色のボーダーのシャツなので目立つなぁと少し感じた。ジャングルを抜けて集落についた。慎重にあたりを確認したが、やはり騒がしい様子はない。この村はとくに襲われてはいないのだろうか・・・。
とにかく誰か人に会って話が聞きたい。そこで集落の中央に位置する小学校を目指すことにした。


「ほふく前進のほうがいいかな。」


小野田は未だ警戒している。妖怪アンテナがはたらくのかな・・・。
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第4回 MAYBESTRIKE
2007.12.05 Wednesday 01:23
JUGEMテーマ:小説/詩

小野田はほふく前進をしながら、小学校まで行こうとしたが、途中で疲れたのか立ち上がって歩いた。集落を注意深く見渡したが、やはり襲撃されたような様子はない。ただ、この集落人が全然いない。
小学校を目指したが、夏休み期間中ということもあって子どもがいない。職員室の方に回ってみる。だが、誰もいない。
小学校に人がいないので、今度は民家を訪ねることにした。この集落は全部で20戸ぐらいしか家がない。なので1戸づつたずねることにした。
1戸目。やはり人はいない。2戸目もいない。
「なんかおかしくないか。船を降りたときは、人がいたよね。」
小野田が自分に聞いてくるのだが、僕もそんなことはわかっている。
3戸目もたずねたが、やっぱり人がいない。神隠しにあったかのように、誰もいない。
「僕は港にならなにかあるはずだろうと思って、港に向かった。

びっくりしたことに港には、今朝来たはずの船がなくなっていた。しかたがないので、港の脇にある事務所を調べてみる。やっぱり誰もいない。
テレビがあったので、つけて見る。ここは民放の電波しか入らないので、国営放送しかみれない。そこで、国営放送を見てみる。
そこでびっくりする内容を見た。

国営放送の内容は
「臨時ニュースです。南西諸島にチャイ軍が侵攻しました。繰り返しお知らせします。南西諸島海域にチャイ軍が侵攻しました。近海での油田発見に伴い、チャイ軍が侵攻し、西表島は完全にチャイ軍が海上を封鎖しています。」

そういえば、ジパング国は、西表島近海付近に油田が最近発見され、チャイ軍と小規模な武力衝突があったことは知っていたが、侵攻となると別次元の話である。

「おい。大変なことになったぞ・・・。」

ニュースの続きを見る。
「繰り返します。チャイ軍はまだ海上封鎖をしただけです。住民に対しては投降を呼びかけています・・・。」



「大熊は撃たれてるつぅーの。」
小野田が怒鳴った。


とりあえず、みんなのところに戻って知らせなくては。僕は小野田とこの場を立ち去ろうとした瞬間、
「なにをしている!!」
男の声が後ろでした。あっという間に取り囲まれ、注射みたいなのを打たれ意識がなくなった。



目が覚めると、そこはなにかの基地だった。小野田はもう起きている。
「驚かせてしまい申し訳ない。大丈夫だ。われわれはジパング軍です。」
軍服を来た男が話かけてきた。小野田はうんうんとうなずいている。
「一体どういうことなんですか。」
僕がたずねると軍服の男は
「今、チャイ軍に海上を完全に封鎖されていて、島の住民にはここに避難してもらっています。」

僕は不思議に思った。だってこの島にジパング軍の基地なんてないからだ。
「でもこの島はジパング軍の基地なんてないはずですよね??」
軍服の男は
「ここは、政府が秘密裏に作った地下基地なんです。ジパングは憲法で反戦がうたわれている。なので軍事基地を作るとなると、反戦派の人たちから反対運動が起きる。しかし、東ユーラシアの情勢は油田問題などで不安定である。しかし、沖縄島以南に基地はない。丸腰なんです。そこでどうしても、軍事上機知が必要だったのです。政府が軍を通して秘密裏り作ったのがこの施設です。表向きは気象観測用レーダーということで作ったんですがね。外からは青白いレーザーを発しているのがこれです。」

千春ちゃんに聞いたレーザーが軍事施設だったとは。
軍服の男が続ける。
「ただ、こんなに早くチャイ軍がくるとは思っていませんでした。この基地もまだ未完成ですし、人員的にも軍人がまだ50名程度しか配備されていません。この地域を守る第7軍の上層部と連絡を取っていますが、ジパングは相手から攻撃を受けないと、武力行使できない憲法です。ですから相手が攻撃してこないとこちらから攻撃ができないため、なにもできないのです。海上封鎖された今に至っても、反戦派が和平を主張してまだ国会で論議中で攻撃がこちらからできない状況です。」

小野田は、僕が聞く前にそれを既に聞いていたため、んだんだ言っている。なんでこんなときに取り乱さないのだろう。というか小野田の服が軍服になっているのに気づいた。

「今ジパング軍隊員は空軍隊員しかおらず、それも50名ほど。そこで君たちはまだ若いので、もし攻撃をうけた場合、一緒に戦ってもらいます。一般兵器は相当の錬度が必要なため、隊員で固めますが、君たち2人には新型兵器に乗ってもらう。」

僕は正直に嫌だったが、小野田がハイっ!!としゃかりきに答えたため、断れなかった。いや違うか。心の奥ではフリーターでまたどうしようもない日常に戻るくらいなら、この方がまだ生きた証が刻めるかもしれないと思った。だから僕もしゃかりきにやりますと答えた。

「新型兵器ってなんなんですか??」

「ちまたでは、UFOといわれている乗りものです。ここの基地には、滑走路がない。この兵器は垂直に浮遊し、また着陸できるため、空港がいらないんです。ただ、実験段階の兵器であるため、いろいろ問題がある。この兵器、動力源を放射能の核分裂に頼っているため、コクピット部分はどうしてもある程度放射能がもれてしまいます。もちろん防護服は着て乗ってもらいます。操縦方法は最終兵器らしくシンプルでゲーム機のコントローラーのようになっています。」

そんなのに乗れというのか。まあ仕方がないよ。


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第5回 MAYBESTRIKE
2007.12.06 Thursday 19:31
「そういえば名前聞いてなかったですよね。」
小野田が言った。軍服の男は
「私は、河合といいいます。いちおう君たちは軍人としてこれからは行動してもらうから、これからは僕のことを二佐と呼びなさい。それとこれからは敬語を使うこと。最近の子どもは敬語の使い方を知らないから困るよな。タメ口は他の隊員に対しても絶対にやめること。わかったかな。」
僕は、野球部時代のなごりから。
「オッス!」
と答えた。だが河合二佐からその瞬間鉄拳が飛んできた。
「これからは敬語だ。いいかな?」
「わかりました・・・。」
僕は、敬語で答えることにした。
落ち着いたところで小野田が
「そういえば船浮集落の先の海岸にまだ、僕の友達がいるんです。はやく状況を知らせてあげて助けに行かないと。1人は撃たれているので、早く安全を確保しないと手遅れになるかもしれない。」
二佐は
「撃たれた・・だと。チャイ軍の工作船が上陸してきたのは知っていたが、民間人を狙撃するとは・・。島のほとんどの人間はこの基地に避難してもらっているが、君たちの友達に関する情報はまだあがってきてないな。隊員に捜索してもらうようにしよう。ただ、船浮から先は民家はないはず。なんでそんなところにいたんだい。テレビやサイレンで避難するようにしていただろう。」
小野田は
「いや全く状況がわからなかったので、海水浴を普通に楽しんでいました。携帯の電波もない場所ですので。」
僕はこれから戦争が始まるかも知れないときに呑気に海水浴や釣りをして、殿下はポテトチップスを食っていたことに少しおかしくなり、不謹慎にも笑ってしまった。

河合二佐は
「とりあえず、友達のことも気になるだろうが、君たち二人には新型兵器に乗ってもらうためそんな暇はない。状況はチャイ軍が航空母艦2隻、潜水艦2隻、巡洋艦6隻、駆逐艦5隻、強襲揚陸艦10隻近くある。対してジパング側は、新型兵器が5機、火砲、高射砲が50台。小型戦車が3台。人員も君たち含めて52名だ。常識からいって上陸されて地上戦になったらすぐ制圧されてしまう。圧倒的不利な状況にある。ただ新型兵器でうまく乗りこなせば、互角以上に戦えるはずだ。」

僕は少しわからないことが多いのでどちて坊やになってみる。
「新型兵器はぼくらみたいな素人が乗れるんですか。」
二佐は
「ああゲームセンターのゲームが得意だったら乗れると思うが、この兵器は前にも言ったとおり、核分裂エネルギーが動力源だ。攻撃も核のいわゆる青白い光のレーザーで攻撃する。操縦はまだしも攻撃は実戦で投入したことがないので、どうなるかわからないが、使用法を間違うと機体が核分裂に耐え切れず、自爆してしまう可能性がある」
さらにどちて坊やになってみる。
「ぼくらにそれで相手の母艦をたたけということですか?。」

「いや政府がまだ攻撃のOKを出していないんだ。この状況になってもまだ国会で審議中なんだよ。60年近く戦闘を経験してない上に、全面戦争回避の考えもあって大混乱している状況だ。だから、今許可されているのは、相手の威嚇までだ。最悪占領されても和平解決を望む連中もいる。」
小野田もどちて坊やになった。
「でもジパングはこういうときのために、メリーカと安全保障協約を結んだのではないんですか。実際沖縄本島には、メリーカ軍基地で太平洋の部隊が結集すているわけだし。援護はないんですかね。ほら社会でならった有事の際は協同して防衛するって。」
二佐はあきれた顔をしながら
「どこの国が他人の国を率先して守ろうというんだよ。だいちこっちの国の政府が戦うなといっている状況で参戦してくるわけがないよ。また昔と違って最近メリーカとチャイ国は貿易を通じて重要な経済パートナーの関係だ。こんな小さな紛争のようなものに乗り出してチャイ国と関係を悪くするくるとは考えにくいぞ。」
小野田が
「でもなんでこんな極東の小さな島に攻めてきたんですか。」
と訪ねた。
「それは西表近海で、大規模な油田が見つかったからだよ。今世界の資源は枯渇化していて石油をみんな欲しいんだよ。油田が見つかったけど、ジパングは沖縄本島以南に基地がなく丸腰の状態。それを狙われたんだと思う。」
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第6回 MAYBESTRIKE
2007.12.12 Wednesday 02:49
JUGEMテーマ:小説/詩

僕は、今おかれている状況を整理した。

1、資源を狙われていること
2、まだ政府から攻撃の許可がおりていないこと
3、メリーカの援軍が来ることは希望的観測であること
4、現地戦力的は圧倒的にジパングが不利な状況にあること

僕と小野田は河合二佐から部隊に合流するよう命令された。河合二佐には仲間のみんなの捜索を強くお願いして河合二佐のもとを離れた。基地は地下になっており、エレベーターで地表に近い部分まで昇った。コンクリートでできた内部はシェルターのような頑強な作りをしていた。西表島は南方に位置しているのに、内部は暑くなくて、非常に快適な温度だった。エレベーターをおり、兵士につれられ10歩くと大きな空間に出た。そこには、軍服をきた人がたくさんいた。また戦車やみたことのない機械がたくさんあってそれを整備している人もいる。

兵士に連れられ歩いていくと、1人の男を紹介された。兵士は僕らを指さして
「少尉殿。河合二佐に新型兵器に乗るようにと言われた少年2名であります。」
少尉と呼ばれた人は
「さっき内線で二佐から聞いたよ。今からは君たちの直接の上官は俺になる。だから命令には従ってもらうよ。君たちには新型兵器にのってもらう。あんまり敵が早くやってきたものだから兵器は完璧じゃないだけどね。普通なら、隊員にのってもらうんだが、今は隊員を1人も失いたくないものだね。君たちは実験的にのってもらう。」

僕は不安が的中した。どう考えたって訓練を受けていない素人の僕がすぐ兵器に乗せされるっておかしいじゃないか。それに放射能がどうのこうのといっていたし。

「ついてこい。」
唐突に少尉が言った。この広い空間の奥に歩いていくとその新型兵器はあった。今までみたこともない機体だ。形はひし形をしている。
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第7回 MAYBESTRIKE
2007.12.12 Wednesday 19:46
JUGEMテーマ:小説/詩

大きさが7メートル四方ぐらいで黒くてひし形の機体が新型兵器のようだ。全面にコックピットのようなものが見える。下にもぐると大きな丸い穴と4個の小さい穴が別にある。機体の後部は膨らんでいる。ここの部分が動力部分だろうか。後ろ部分はぽっかり開いており、タービンのようなものがある。少尉はコンコンと機体をたたいた。たたいたその手が少しめり込んだように見えた。
少尉は得意気に
「この機体は特殊な弾力性のある素材でボディを覆っている。相手の攻撃が直撃しなければ、耐えうることができるんだ。またこの機体は垂直に浮遊して着陸できるんだ。強力な電磁波を出して、機体の上に重力と等しいブラックホールをつくる。反重力状態に置くことによって、機体は吸い寄せられるように浮遊し、その強弱で機体を浮かせたり、着陸させたりできるんだ。離着陸の技術があまり必要がないため、非常に操作しやすい。まず、シュミレーターで君たちには訓練してもらう。ただし、あんまり時間がないんだ。とりあえず、チャイ軍に攻撃はできないが、この兵器を見せて脅威を与えることができるかどうかって事だ。」
小野田が質問した。
「なんで攻撃しないんですか。領海侵犯でしょう?」
少尉は
「もし攻撃したとしたら、全面戦争になりかねないからだよ。領海侵犯といっても、ここは南沙諸島からは200海里の海域でチャイ国とジパングの間で領海の線引をもめているところだ。どう考えても海上封鎖するなんて侵略としかジパングとしては理解できないがな。他にも経済的にもジパングにとっても重要な貿易相手国なんだよ。政府としてもどう対応するかがわからない部分があるんだ。現にチャイ軍は領海よりギリギリで外に艦隊を配備している。こっちが手を出したら揚げ足をとられるかもしれない。」
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お知らせ
2007.12.14 Friday 00:37
次回から一番新しい記事を下に、古い記事を上にします。例えば1話が最上部に、最新話がネクストの後にきます。よろしくお願いします。



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第8回 MAYBESTRIKE
2007.12.23 Sunday 12:00
JUGEMテーマ:小説/詩

中尉の説明によると敵国がきているのに攻撃もできない。でも向こうが攻撃してきたら攻撃できるということなのか。このまま長引けば、制圧されることは目に見えている。

僕たちは新型兵器の操縦を訓練しなければならない。新型兵器シュミレーターにより実戦に向けての訓練をする。

中尉から新型兵器の指導員をつけられ、後をついていくように言われた。シュミレーターで訓練するかと思いきやまず最初に向かったのはトレーニングルームだった。
まず指導は基礎体力作りから始まった。

指導員には

「乗るためには、操作の前に重力の変化に耐えられる体力が必要だ。そのためには筋力トレーニングにより鍛えてもらうからな。貧弱な筋力だと背骨が折れるかもしれんぞ。」

と脅された。

「簡単に乗れるといったじゃないか?」

僕は愚痴を言った。

言われたとおりにするしかない僕らにまず指導員に天井からぶら下げてあるロープに足を縛られた。そして3kgの鉄アレイを持たされた。

小野田は

「ちょっとなんなんですか!!」

とわめいた。

指導員は
「それで腹筋、背筋を毎日50回はやってもらうできるまではロープをほどかんからな。」

こんなの聞いてないよと思いながら、腹筋を始めるも、5回やっただけで相当きつい。これを毎日やろうというのか。その前に頭に血が溜まって死ぬんじゃないかと思った。小野田を見るとやはり既にノビテいた。格好のいい軍服とは正反対にどうしようもなく格好悪い。
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第9回 MAYBESTRIKE
2008.01.09 Wednesday 23:50
JUGEMテーマ:小説/詩

訓練が開始されて2週間がたった。行方不明だった大坪たちも見つかり、この基地に保護されたみたいだ。僕と小野田は会うことさえ許されず、基地内の軍事スペースにて隔離状態だった。
僕はこのトレーニングを続けて行く上でわかったことがあった。この新型兵器で攻撃すると確実に相手を破壊できること。そしてもう一つ・・・。

とうとう出撃の日がやってきた。

少尉は事務的に僕に言った。
「いいか。今回はチャイ軍の近くに威嚇攻撃して撤退させるのが目的です。まずは鳴海君の機体で行ってもらうよ。」

「はい・・・。」

僕は、カタパルトデッキにある兵器に乗り込み、シュミレーションのとおり、出撃の操作をした。
ふらふらと垂直に機体があがる。シュミレーターと一緒だ。これなら問題ない。


機体は東シナ海を望み、真っ青な海に黒い影が落ちる。

僕はずっと考えていた。悪魔的な発想を。この機体からは放射能が漏れているので、このまま健康で生きられる保障をどこにもない。けれど、この軍隊に入ってからというもの自分が必要とされているという確
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